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手作りジュエリー職人

Bloggin Madrid

2022年5月24日

単なる装飾品ではなく、現実になった小さな夢。マドリードの工房から、この街に深く根付いた手工芸の伝統を継続しているすべての名工が、そう信じています。文:シルビア・ロバ(Silvia Roba)

世界中どこでも考古学博物館を訪れると、先史時代の男女が貝や骨、さらには動物の牙まで使って、体を装飾していたことがわかります。地位の象徴としてを使い始めたのはエジプト人で、それに続いたギリシャ人とローマ人は、指輪の使用を社会の特定の階級のみに許可していました。「Joya」(スペイン語で「宝飾品」)の由来はラテン語で玩具を意味する「jocale」である一方、同義語の「alhaja」はアラビア語が起源で、「貴重な物」という意味です。

マドリードの貴金属加工職人、銀細工師、時計職人の組合は伝統があり、フェリペ2世がマドリードを王国の都にしたわずか数年後の、1572年に設立されました。同組合は、後にマドリード商業会議所になる上級ギルド(組合)の一つであり、現存する組合の中で最古のものです。長い伝統がありますが、手作りジュエリーの新しい名工たちは、前衛にも魅力を感じています。今日のクリエーターの仕事を知るために、工房を数か所訪れてみましょう。

ANDRÉS GALLARDO

San Pedro, 8 地下鉄:Estación del Arte / Antón Martín

活動を始めた当初は、市場や骨董品店で見つけた割れた磁器のかけらで、立体的なコラージュのようなネックレスやブレスレットを制作していました。今日、ラス・レトラス(las Letras)地区の店舗兼工房では、ウサギ、手、太陽、月、グレイハウンド、花など、素朴で神秘的な特徴を備えた独自の製品を作っています。直観的で細部までこだわった制作方法は、現代的な視点から手工芸の可能性を回復、開拓するパイオニア的なものです。卓越性と身近さ、この2つの言葉がブランドを巧みに表現しています。

「一歩一歩が有機的な選択であったと感じている。創造性、手工芸、相互尊重に基づく価値のある関係が、会社、ブランドとしてのAndrés Gallardoの原動力になっている」と述べると同時に、名称の背後にいるのは一人の人物だけでなく、すでに家族同然のチームであるとしています。

活動開始は2010年。内なる必要性に駆り立てられ、ルールに縛られることなく試行し、工程の中心に常に創造性を位置づけ、自らの手を使って制作を行ってきました。スペインとポルトガルの職人と協力し、現在も伝統的な技術を復活し続けています。インスピレーションの源は、魔術、愛、植物相、動物相などのテーマ。最新コレクションには、ネックレス、リング、ピアスなどになって命が吹き込まれたようなネズミと子猫の頭や、イチゴが含まれおり、すべて磁器製です。高い技術で入念に作られた作品です。

STUDIO SQUINA

Amparo, 94 地下鉄:Lavapiés / Embajadores

ヒメナ・カラムとサンドラ・パンピンが設立したジュエリー工房は、デザインと制作工程への愛情から、当然の結果として生まれた学校でもあります。ここの主役は、ハンドモーター、はんだごて、糸のこ、研磨機、木槌、大ばさみ、ペンチ、金槌など。

これらの道具がひとまとまり、あるいは散らばった状態で、ラバピエス(Lavapiés)地区の居心地の良いスペースに置かれています。工房には店舗と展示エリアもありますが、それは、この情熱的な二人の女性が何よりも望んでいるのが、この場所をアーティストと人々の対話と出会いの場にすることであるためです。初心者を対象にした48時間の講座も行い、メタルジュエリーの基本的な技術、ワックスとセッティングの入門的な内容を教えています。

DSNÚ

Doctor Fourquet, 11 地下鉄:Estación del Arte / Lavapiés

Dsnúはアナ・マルティネス(建築家・ジュエリー職人)とダビー・デ・フェリペ(造形アーティスト・陶芸家)で構成される、独自の手工芸工房を持つデザインスタジオ。現代的な視点から適用される、伝統的な技術と素材に関する知識を組み合わせて、デザイン製品を制作するために誕生しました。名称の由来は、デザイン(スペイン語でdiseño)とヌード(desnudo)から創作された略語にあり、シンプルさのエレガンスを追求する、不必要なものをすべて取り除いた作品という、彼らが求めているコンセプトを要約したものです。

その結果誕生したのが、環境に優しい手工芸プロセスで制作された、ユニークな作品です。デザインの純粋な幾何学形が、陶器、金属、木材など、使用素材がもたらす有機的で表情豊かな特徴と対照をなしています。彼らが得意とするのは繊細さ。彼らの目的は?自分たちのジュエリーを目にした人の、を動かすこと。コレクション「Atlas」は地図から、「Zumaia」はバスクの岩の多い地形から、「Fragmentos」は建築と景色の関係からアイデアを得ています。

ENTÍO

San Gregorio, 21 地下鉄:Chueca

「私たちのジュエリーの特徴は、お客様一人一人のために完全にカスタマイズされた現代的なデザインと、細部にまで気を配った仕上げにあります」。そう述べるのは、仕事に情熱を感じ、創造性に満ちあふれたエンティオ兄弟です。マドリードの伝統的な職人の孫である彼らは、ジュエリー、宝石、セッティングの専門家。古典的な技術に堪能でありながら、デザインと制作の最新トレンドとリソースも作品に取り入れています。

現在では、類まれなブレスレットやジュエリーをオーダーメードでデザイン、制作、販売する職人とクリエーターの、小さくて非常に熱心なチームを率いています。彼らの哲学は、「ユニークで美的に価値の高いジュエリーを身につけることが、贅沢であってはならない。ほとんどの人が手に入れられる喜びであるべきだ」というものです。チュエカ(Chueca)地区の店舗兼工房で、何世代にも及ぶ歴史ある工具が、3Dデザインの最新技術と同居しています。

CIRCO

Belén, 3 地下鉄:Chueca

Circoの背後にいるのはアルムデナ・ヒル。シュルレアリスム、ポップカルチャー、自然の形を融合し、不完全さの美を称えるユニークな作品を、2005年からデザインしています。コレクションは、最も古い彫刻方法の一つであるロストワックス鋳造技術を用い、シルバー、サンゴ、真鍮などを素材に、完全に手作業で作られています。

アルムデナはのみの市で見つけた骨董品なども取り入れています。「作品はそれぞれ個別の方法で扱われます。作品は独自の個性を持ち、愛情と何時間にもわたる仕事の成果です」と述べ、「誰もが自分の一品を見つけられますように!」と願っています。彼女のベストセラーには、ハートのリング、 カメのバングル、カリプソのネックレス、ヘビのブレスレットがあります。

 

マドリード製!

オーダーメイドの手袋

手袋は防寒に役立つだけでなく、最もエレガントな小物。マドリードには今でも100%手作りの店舗や工房が存在します。

夏のための扇子

年間日照時間2,800時間以上のマドリードは、ヨーロッパ有数の晴天に恵まれた街。夏の完璧な小物が見つかる2店舗(老舗とモダンな店舗)。

マドリードの象徴:ラス・メニーナス

ベラスケスの絵画に描かれている有名な少女たちは、マドリードの象徴そのもの。彼女たちに着想を得ている工房やアーティストが多く存在します。あなたの「ラス・メニーナス」を見つけましょう。そして、マドリードをプレゼント!

マドリードの新しい陶工たち

手に粘土を感じるのは素晴らしい体験。マドリードには、熟練の職人が粘土で自己表現に取り組んでいる工房が多数あります。

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