Chueca
流行発信地区の商業、文化、美食、トレンド、レジャー。
マドリードの中心部、グラン・ビア（Gran Vía）の横にあるチュエカ（Chueca）は、漂う雰囲気とナイトライフから、世界で最も有名なマドリードの地区の一つです。しかし、チュエカ地区の魅力は多様で、その要素には芸術と歴史も含まれています。
チュエカには1776年建造のマタジャナ（Matallana）侯爵邸を用いたロマン派美術館（Museo del Romanticismo）があり、ゴヤ（Goya）、エスキベル（Esquivel）、マドラソ（Madrazo）、アレンサ（Alenza）、ベッケル（Bécquer）兄弟の作品など、絵画、調度品、19世紀のロマン主義マドリードの文化、政治、日常生活を表す装飾美術の興味深いコレクションが展示されています。磁器人形のコレクション、ピアノ15台、ナポレオン帝政様式やイサベル様式の家具、劇作家マリアノ・ホセ・デ・ララ（Mariano José de Larra）が自殺した際に使用したピストルが、ロマン主義の雰囲気を再現しています。
美術館のすぐ近くに、ロンゴリア邸（Palacio de Longoria）があります。マドリードに現存するごく限られた数の完全なモダニズム建築の一つです。現在はスペイン著作権協会（Sociedad General de Autores y Editores：SGAE）が置かれており、上部に鉄とガラスの印象的なドームがあります。
その他、チュエカからマラサーニャ（Malasaña）にかけて、ぜひ足を運びたい歴史博物館（Museo de Historia）があります。旧マドリード市立博物館で、現在は改装の最終段階に入っていますが、特別展と、常設展「都市の地形と物語（Topographias y narrativas urbanas）」が鑑賞可能です。常設展示されているレオン・ヒル・デ・パラシオ（León Gil de Palacio）作の壮観なマドリードの模型（1830年）は必見です。建物はマドリード・バロック様式の最も優れた例の一つで、絵画、彫刻、デッサン、版画、磁器、硬貨、絵はがきなど、約6万点を所蔵しています。博物館のコレクションは、マドリードがスペインの首都に選ばれた1561年から現在までの住民の芸術、産業、日常生活、習慣を、グローバルな視点で紹介しています。
現在文化省になっている7つの煙突の家（カサ・デ・ラス・シエテ・チメネアス：Casa de las Siete Chimeneas）も、チュエカ地区の歴史巡りで訪れたい場所です。
チュエカ地区の夏の風物詩である LGBTI プライド マドリード2019。旗や花輪にあふれ、充実したアクティビティが楽しめます。
チュエカには、「ゲイフレンドリー」なホテルを含む、あらゆる種類の宿泊施設があり、前衛的なデザインの豪華でコスモポリタンな施設から、予算の大部分を宿泊に割かなくても快適に過ごせるオスタル（小規模ホテル：Hostal）まで、様々な料金とサービスから選択が可能です。
手頃な料金ながらも、必要なサービスが完備された「ゲイフレンドリー」な宿泊施設の一つがLa Zonaで、自主性を求める人々に人気の高いアパートがあります。Hostal Colorsも同様の施設で、名称はそれぞれ異なる色に塗装された客室にちなんだものです。その他の選択肢としては、素晴らしいRoom007 Chueca Hostel やキッチュなペンシオン（エコノミーなホテル：Pensión）Madrid House があります。
デザインホテルへの宿泊をご希望の方には、Room Mateチェーンがマドリードで4軒を展開しており、そのうちの1軒がチュエカ地区にあります。Room Mate Oscarは装飾の最新トレンドを堪能できる客室を提供している他、夜グラスを傾けたり、待ち合わせて食事をとったり、ナチュラルな朝食を楽しんだりできる流行の場所でもあります。その他、改装されたばかりのブティックホテルPetit Palace Ducal ChuecaやOnly You Hotel & Lounge Madridといった宿泊施設もあります。
2012年の改装以降、サン・アントン市場（Mercado de San Antón）はマドリードのガストロノミーのホットスポットになりました。生鮮食品のスタンド、タベルナ（居酒屋風レストラン）・ワインバー、対面調理やテイクアウトが楽しめるギリシャ料理、日本料理、魚介類、スイーツ、シェイク、ジュースの店舗があります。市場で購入した新鮮な材料を使って、レストラン 11 Nudos Terraza Nordés でハンバーガーを調理してもらうこともできます。この店は最上階にあり、伝統的なスペイン料理に国際的なタッチが加わっています。しかも、屋上には落ち着いた雰囲気のテラスがあり、素晴らしい眺めを楽しめます。
デザインと装飾を特徴とする、チュエカ地区のカフェ、カクテルバー、レストラン。カクテルバーでは Cock、Del Diego 、Angelita Madrid、 Klimt Gin Club Premium Barなどに足を運びたいものです。レストランは、東洋、イタリア、スペイン、ギリシャ、メキシコ、アラブなど、あらゆるタイプの料理が揃っています。Kuoco 360 food、Gioia、Morgana、 Barra de Atún、La Carmencita、La Tita Rivera 、 Yakitoro。これらは、チュエカ界隈でガストロノミーを堪能するためにぜひ訪れたい店のごく一部です。その他のオプションとしては、マラガ料理を専門とする Granjero Busca Campero 、ディナーショーやランチショー、革新的な折衷料理が楽しめるレストラン、 La Torcida があります。
また、通りに活気のある地区のモダンでカジュアルな雰囲気に合わせて、テイクアウトの店も多数あります。
老舗のタベルナ（居酒屋）をご希望の方は、Ángel SierraかレストランLa Nietaへお出かけください。楽しい雰囲気の中スイートを味わうなら、男性や女性の性器をかたどったゴーフルが専門のLa Pollería Chueca や La Coñería がおすすめです。
チュエカ広場（Plaza de Chueca）周辺には、商業活動でにぎわう通りが網状に延びています。同性愛者が集う中心地であるこの地区は、あらゆるタイプの提案にオープンで、市民、観光客を問わず、非常に多くの人出があるエリアとなっています。
大胆なLGTB（レズビアン、ゲイ、トランスジェンダー、バイセクシュアル）の方はオルタレサ通り（Calle Hortaleza）へ足を運んでみてはいかがでしょう。多くの店のショーウィンドーに、タイトフィットな衣類が並んでいます。ジム、セックスショップ、本屋。LGTB関連書籍の専門店としてパイオニア的存在のBerkanaの他、イラストやマンガのPanta Rhei、ガストロノミー専門のA puntoといった書店があり、A puntoでは、料理教室も行われています。マドリード製のパーソナライズされたメガネを購入できるTiwiを訪れるのもよいでしょう。
このエリアのもう一つの特徴は、多くのサンプルシューズ・ショップ（メンズ、レディース）が、アウグスト・フィゲロア通り（Calle Augusto Figueroa）周辺に集中しているという点です。他シーズンのシューズが魅力的な価格で見つかるかもしれません。