Casa de Campo
スペイン最大の都市公園はマドリード市街地に隣接。
カサ・デ・カンポ(Casa de Campo)はマドリードにとって重要な緑地帯で、敷地面積1,722ヘクタール以上を誇る、スペイン最大の都市公園です。首都の南西部に位置し、マンサナーレス川(Río Manzanares)の岸からポスエロ(Pozuelo)など他の市との境界や、エル・パルド山(Monte del Pardo)をはじめとする他の森林地域にまで広がっています。植生はカスティージャ地方の高原の牧草地と同様に、基本的にカシとマツの森です。
カサ・デ・カンポが重要な存在となり始めたのは、1561年にフェリペ2世(Felipe II)が首都をマドリードに移し、現在の王宮(Palacio Real)がある場所に存在した、かつてのアルカサル(王宮)に居を定めた時からです。国王は宮廷の近くに、自分が夢中になっていた狩猟のための場所を必要としていました。そのため、バルガス家(Los Vargas)の別荘とその周囲の土地の購入を命じたのです。18世紀、カサ・デ・カンポを王立森林として宣言したのはフェルナンド6世(Fernando VI)でした。第二共和制の時代、1931年に王家の財産ではなくなり、マドリード市役所に譲渡されて公共の場所になりました。
かつて王家ならびに上流階級の所有地であったこの場所には、バルガス宮殿(Palacio de los Vargas)、クレブラ橋(Puente de la Culebra)、水運搬用塀ラ・タピア(La Tapia)、庭園であったエル・レセルバド(El Reservado)など、 歴史の足跡が残っています。
カサ・デ・カンポには、特に子供を対象とした様々なレジャー施設があります。
アミューズメントパーク(Parque de atracciones)
30種類以上のアトラクションがあり、スリルを存分に味わいたい方にも、のんびり楽しみたい方にも、同じようにご満足いただけます。ラ・ランサデラ(La Lanzadera)では、高さ63メートルから80 km/hでフリーフォールを体験し、どきどきしながらもマドリードの素晴らしい景色を堪能できる他、最新式のジェットコースター、エル・アビスモ(El Abismo)は高さ49メートルから、らせん状や山なりのコースを100 km/hの速さで疾走します。水上アトラクションやお化け屋敷もお楽しみいただけます。その他、ショーや休憩ゾーンもあります。
マドリード動物園・水族館(Zoo Aquarium de Madrid)
マドリード動物園・水族館には、500種以上2,000頭以上の動物が生息しています。ベンガルトラの白化型であるホワイトタイガー、絶滅危惧種であるコアラやバーバリライオンなど、珍しい動物を見ることができます。けれども、なんと言っても一番の人気者は、同園で生まれたジャイアント・パンダの赤ちゃん、シン・バオ(Xing Bao)でしょう。2014年の初めから見学可能となっています。イルカ、猛禽類、エキゾチックな鳥たち、アシカのショーや、様々な種類のサメが泳ぐ水槽もあります。
スポーツを楽しむのに、カサ・デ・カンポはマドリードで有数の恵まれた地域です。ランニング 愛好家は、草木に囲まれたトレーニングゾーンを見つけることでしょう。公園内にはアスファルトと無舗装の道が組み合わされた約16キロのコースがあります。
また、ロードバイク、マウンテンバイクを問わず、自転車競技もしばしば行われます。カサ・デ・カンポには、通行量が限られているため、ロードバイク利用者が安全で快適に走れるアスファルト区間が多数あります。また、マウンテンバイク愛好者は公園の至る所にある細い道を楽しめます。
ウォータースポーツでは、2018年の大規模な改修工事の完了により、湖周辺のバルやレストランで休憩しながら大自然や水上競技のトレーニングをを楽しむことができます。可能です。カヌーやボートなどの小型船を運行できるほか、屋内プール1面と夏季に開設する屋外プール3面がある市立ラゴ・スポーツセンター(Centro Deportivo Municipal de Lago)では、水泳のトレーニングも可能です。
カサ・デ・カンポは国際的なスポーツ競技会の会場であり、トライアスロンやマウンテンバイクのワールドカップが開催されました。そして、施設全体を巡るサーキットを利用して、世界選手権自転車競技大会も開催されます。
カサ・デ・カンポは、王宮(Palacio Real)、アルムデナ大聖堂(Catedral de la Almudena)、サン・アントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂(Ermita de San Antonio de la Florida)の近くにあるため、マドリードの市街地で建築物を見学した後の休息にぴったりの場所です。
カサ・デ・カンポ湖は、周辺のバーやレストランでドリンクを片手に自然、太陽、風景を楽しんだり、ウォータースポーツを満喫するのに最適です。周辺には、美しい自然の飛び地のなか興味深い美食オプションを提供するレストランがあります。優れた素材とシンプルなレシピが際立つメニューをテラスで楽しめるグリル料理レストラン、Villa Verbena はその一例です。
カサ・デ・カンポを訪れるなら、パセオ・デル・ピント―ル・ロサレスと公園内部を結ぶケーブルカーの利用が最適です。地上40メートルを走るケーブルカーからは、市街の最高のパノラマが楽しめます。
TriCicloグループとThe Hat Madridによるプロジェクト、El Taller へのアクセスも可能です。 美食とスポーツを兼ね揃えたスペースでは、スペインを代表するアスリートらによって、さまざまなレクリエーションやスポーツ活動が開催されています。
カサ・デ・カンポ見本市会場(Recinto Ferial de la Casa de Campo)では年間を通じて、会議、見本市、スポーツイベント、企業イベント、コンサート、演劇など、様々なイベントが多数開催されています。そのため、複合的なパビリオンが4棟、劇場・ホールが1棟、屋外ステージが1面あります。
一方、カサ・デ・カンポの Pabellón de Cristal(クリスタルパビリオン) は広々とした展示ゾーンを備えた3階建て構造です。最大規模の収容人数を誇るため、大規模なテーマフェアの開催も可能です。なかでもアンティークを専門に取り扱うDesembalaje 、マドリードの国際クラシックカーショーサロンであるClassicAuto Madrid、マンガ、アニメ、ビデオゲームなど日本に関連するすべてを扱うJapan Weekend を特筆できます。
さらに、カサ・デ・カンポのフェリア会場では、仲介業者を介することなく、生産者マドリードの農産物を、自身が一般に紹介することを目的とするイベント、農耕商工会議所のマーケットデーが開催されます。