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1559年から1564年にかけて、当初はアントニオ・シジェロ(Antonio Sillero)が手がけ、後にフアン・バウティスタ・デ・トレド(Juan Bautista de Toledo)が引き継いで建てられたクララ会修道院の建物は、かつてカルロス1世(Carlos I)と王妃のポルトガル王女イサベル(Isabel)が住まいとし、後の1535年に修道院の創設者となる娘のフアナ王女(Juana)が生まれた宮殿でした。王女は、ポンペジョ・レオニ(Pompeyo Leoni)作の墓碑祈祷像がある礼拝堂に埋葬されています。
建築に関しては、プラテレスク様式のファサードとルネサンス様式の素晴らしい階段が、当初から存在する要素で最も興味深いものです。内部は18世紀にディエゴ・デ・ビジャヌエバ(Diego de Villanueva)が全面改装を行いました。禁域にはプラテレスク様式の宮殿の構造物と多くの装飾要素が保存されています。
この修道院にはフアナ王女が住んだ後、未亡人となった姉のマリア皇后が住んでいました。マリア皇后は1603年にこの修道院で亡くなりました。階段とミラグロ礼拝堂(Capilla del Milagro)の17世紀のフレスコ画が保存されています。ルーベンスが下絵を描きブリュッセルで織られたタペストリーが、ひときわ目を引きます。このタペストリーは聖体崇拝を表現しており、フェリペ2世(Felipe II)の娘でありネーデルラント総督であったイサベル・クララ・エウヘニア(Isabel Clara Eugenia)王女が修道院のために作らせたものです。
修道院は重要文化財に指定されている他、1987年にはヨーロッパ博物館賞を受賞しています。パンデミックによる2020年と2021年の閉館中に行われた改装により、作品50点以上の修復、修道院の禁域にあった作品の展示、LED技術の新しい照明システムの設置などが行われ、8つの展示室が大きく様変わりしました。
ステーション
- Plaza de Celenque A/B (Plaza de Celenque, 1)
- Calle Jacometrezo, 3