賑やかでコスモポリタンなマドリードとは異なる、今でも農業と牧畜で生計を立てているマドリードの農村部は、高い品質と優れた農業生産への評価として「原産地呼称」を獲得し、グルメも納得の生産品を提供しています。

同認証は生産品の質に加え、生産プロセス全体での完全な原料管理も保証するものです。マドリード産の食品は、原料の素晴らしい品質と気象条件により、差別化の印である際立つ特徴を備えています。

原産地呼称「ビノス・デ・マドリード」（マドリード産ワイン）

マドリードのワイン産地は、アルガンダ（Arganda）、ナバルカルネロ（Navalcarnero）、サン・マルティン・デ・バルデイグレシアス（San Martín de Valdeiglesias）、エル・モラル（El Molar）の4つのサブゾーンに分かれています。 同じ地理的認証を共有していますが、各地域のそれぞれ異なる気候の特徴と下層土によって区別されています。1990年以来、D.O. ビノス・デ・マドリードは、国内外の市場でリオハやリベラ・デル・ドゥエロといった伝統的に有名な産地と競い合っています。様々なブドウの品種を用いた赤、白、ロゼワインがあり、約50軒のワイナリーが商品化しています。

原産地呼称「アセイテス・デ・マドリード」（マドリード産オイル）

地中海料理に欠かせない「液体の金」、マドリード産のエキストラバージンオリーブオイルは、酸味がわずかで、色は緑がかった濃い黄色。これらの特徴が名高い品質をもたらしています。素晴らしい香りと高い栄養価も特筆に値します。

保護地理的表示「カルネ・シエラ・デ・グアダラマ」（グアダラマ山脈産肉）

マドリード北山脈の気象条件と牧草地は、牛の飼育に最適な環境です。周囲の恵まれた状況は、保証の印が付いたグアダラマ山脈産の肉の質に好ましい影響を及ぼしています。若干湿り気を帯びた外観、赤－ピンクの色調、しっかりした質感、筋肉に入った脂で際立っています。

地理的呼称「アニス・デ・チンチョン」（チンチョン産アニス）

名称は、生産と瓶詰めが行われるマドリードの町に由来します。このアルコール飲料は「マタラウガ」と呼ばれるアニスの果実で作られています。アルコール度数と砂糖の量により、スペシャルドライ、エクストラドライ、ドライ、スイートの4種類を生産。

品質呼称「アセイトゥナス・デ・カンポ・レアル（カンポ・レアル産オリーブ）

マドリード南東部にあるこの町の近くの土地は、一面オリーブの木で覆われています。採油用オリーブと同品質の食用オリーブです。カンポ・レアル産オリーブの秘密は、原料の品質に加え、タイム、フェンネル、オレガノなどの香草を用いた調味料にあります。

その他の地元産品

地理的特徴による識別はなされていませんが、品質は上記の産物に劣りません。マドリード産のその他の食品は、地域の内外で相応の評価を受けています。ビジャコネホス（Villaconejos）産メロン、アランフエス（Aranjuez）産イチゴとアスパラガス、シエラ・ノルテ（Sierra Norte）産シロインゲンマメ、ビジャ・デル・プラド（Villa del Prado）の農産物、マドリード山脈産蜂蜜、チンチョン産ニンニクなどが挙げられます。アランフエスの有名なイチゴを楽しむなら、マドリードを起点とし、当時の衣装に身を包んだ芸人が乗客にイチゴの試食をすすめるイチゴ列車がおすすめです。

また、マドリード州には認証済み有機製品があり、人気が高まり続けています。一般的な保証の新しいマーク「M Producto Certificado」もあります。

グルメマーケットとショップ

マドリッドには、原産地呼称製品を扱う数々のショップや市場があります。 そのうちの1つはGourmet Experience Goya（グルメエクスペリエンス・ゴヤ）です。これは、ゴヤのエル・コルテ・イングレスの半地下階にある、豊富な品揃えを誇る美食のマルチスペースです。 また、マドリードにいくつかの店舗を有するグルメブランドの La Chinata（ラ・チナタ）は、エクストラバージンオリーブオイルとその派生製品を取り扱っています。

良質のワインを入手するなら、国内外4,000種以上の豊富なワインを誇るワインショップ、Laviniaがおすすめです。

また、サン・ミゲル市場（Mercado de San Miguel）では、オリーブや厳選ワインなど、原産地呼称の製品を取り揃えています。また、サン・アントン（San Antón）市場や、カサ・デ・カンポ（Casa de Campo）の見本市会場で毎月開催される農業会議所市の日、食の巡回マーケットであるマドリードのラ・デペンサ（La Despensa）を訪れるのもよいでしょう。